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絵本ではなく図鑑を読んでと言われたら?自立心とコミュニケーションを大切に

絵本を読んであげたいのに、「図鑑を読んで!」を言われて困ってしまう……こんな経験はありませんか?
親の立場としては、絵本の読み聞かせが子どものためになると思っている……でも、読み聞かせのしにくい図鑑を読んでほしいと言われたら、どうしたらいいのか迷ってしまいますよね。

ですが、ご安心ください。
絵本が図鑑になっても、きちんと意味のある読み聞かせになるんですよ。
お子さまから「絵本じゃなくて図鑑がいい!」とお願いされたら、ぜひ親子で一緒に図鑑を楽しんでいただくことをオススメします!

図鑑は好奇心を引き出し、自立心を育てる
絵本と違って、図鑑というのはお子さまの知的好奇心をよりくすぐりやすい読み物になります。
自分の興味のある世界が、よりリアルな写真によってさらに深堀されていくからです。ページをめくるたびに、好奇心がくすぐられるわけですね。
好奇心がくすぐられれば、自分で調べるクセもついていきます。人から調べてみてと言われる前に、自分自身で学ぶ意欲がわいてきます。
これによって、自ら学び続ける力を養っていくことができるのです。

さらに、図鑑からの知識が増えていくことで、自己肯定感を強めることにもつながっていきます。
知識がどんどん増えていくのは、やっぱりワクワクするもの。
どんどん賢くなる実感もわいて、自分に自信がついてくるというメリットもあります。

図鑑は想像力を養う 
さらに、図鑑は知識をつけるだけでなく、お子さまの想像力を養うことにも一役買ってくれます。
ただ図鑑に載っている写真を見て覚えるだけでなく、自分の経験と照らし合わせて、さまざまなことを考えるようになるからです。

想像力というと空想の世界のほうが良さそうだと思われるかもしれませんが、そうとは限りません。
想像上のおはなしだけでなく、図鑑で見るようなリアルな写真からでも、考える力はついていくものなのです。
テレビや動画からでも同じような写真を見ることはできますが、自動的にどんどん流れていく「映像」では、どうしても受け身になってしまいがちです。
一方で、自ら調べたり考えたりしながらページをめくれる図鑑では、積極的に脳を使うことにつながります。
そういう意味でも、図鑑を一緒に楽しむことは大いに意義のあることなのです。

図鑑は「コミュニケーション」の時間に使う
絵本だと親が子どもに「読み聞かせる」のが一般的ですが、図鑑の場合は「コミュニケーション」の時間ととらえてあげるのがオススメです。
自分の興味があることを、お父さんやお母さんが一緒に楽しんでくれるなら、お子さまからしてみればそれはそれはうれしいこと。子どもに「聞かせる」だけではなくて、お子さまと積極的にコミュニケーションを取ってあげるのがいいですね。
図鑑の場合、文章だけを「読んでいく」とどうしても単調になってしまうので、全文すべてを読み聞かせる必要はありません。
そのときそのときで、お子さまが興味を示した部分を中心に読んでみてください。

さらに、お子さまが「あれっ?」と思った部分を一緒に調べてあげるなどして、助けてあげると良いコミュニケーションになります。
全部を調べて教えるのではなく、あくまで調べる手助けをするくらいがちょうどいいですね。

「図鑑型」と「物語型」
また、子どもの発達心理について研究している内田信子先生によると、子どものタイプは赤ちゃんの頃からすでに「図鑑型」と「物語型」に分けられるそうです。
「図鑑型」の子どもは、物や物の変化、動き、因果的な成り立ちなどに興味を持つ傾向があり、一方の「物語型」の子どもは人に興味を持つことが多いとのこと。
みんながみんな、絵本のような物語を好むというわけではないんですね。
図鑑型も物語型も、どちらも大切な個性。
無理に親の好みを押し付けず、お子さまの個性に合わせて図鑑も絵本も一緒に楽しんであげるのがベストです。

図鑑以外の本を読まなくなるのでは?
上記のように図鑑を楽しむこともとても大事なことなんですが、一方でこんな心配も出てくるかもしれません。

「ほかの本を読まなくなるのでは……?」
「キャラクターの本ばっかり読んでるけど、大丈夫……?」

確かに少し不安になることもあるかもしれませんが、子どもはそのとき興味のあることに深くのめり込むもの。そのパワーは、本当に計り知れません。
そんなとき、心配しすぎて「図鑑じゃない本も読まないと」と言ってしまうと、お子さまからしてみれば自分の大好きなものを否定された気分になってしまうかもしれません。
思いっきり興味のある世界にのめり込んでいるときに、「ダメ」のようなニュアンスを伝えられるのは悲しいものです。

なので、何かにのめり込んでいるときは、あまり心配はせず、否定もせずに、そのとき興味のあることに関連した本を一緒に読んであげてください。
図鑑だけでは……と思われる場合は、内容が関連している絵本などに触れてあげるのもオススメです。
図鑑から「知識」が増えることを横に広がる学びとするなら、関連した絵本、なかでも由来や歴史に関するお話から「知恵」を得ることは縦に掘り下げる学びとなります。図鑑を楽しんで興味のあることを吸収し、さらに身に付けたことを絵本でどんどん深くしていく……そんな風に、図鑑と絵本をあわせて使ってあげるのもいいですね!

図鑑といっても、乗り物、動植物、恐竜、昆虫、魚、キャラクターなど、その種類はさまざまです。
関連する絵本も、たくさん見つかるはずですよ♪

たとえば、キャラクターを例にとってみると、いま子どもたちの間でも大人気の『鬼滅の刃』。
『鬼滅の刃』が好きなお子さまだったら、日本昔話から、鬼や地獄が出てくるお話なんかに触れてみるとおもしろいですね!
オススメの絵本を紹介しておきますので、よかったら参考にしてください^^

●『だいくとおにろく』 松居直 再話、赤羽末吉 画、福音館書店

   

●『じごくのそうべい』 田島征彦 作、童心社

 


まとめ
今回は、絵本を読んであげたいときに「図鑑がいい」と言われたらどうするかをお伝えしました。
絵本だけでなく、図鑑を読むことも非常に意義のあることです。
お子さまの好奇心や自立心を養い、想像力を高めることもできるのが図鑑のいいところ。お子さまが図鑑の世界にのめり込むのであれば、ぜひ親子で一緒に楽しんであげてください。
読み聞かせというよりもコミュニケーションの時間だと思って、お子さまの好きな世界観を大切にしてあげてくださいね!

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